前モデル「NW-A100」シリーズから約3年。手軽なコンパクトさはそのままに、待望の最新ウォークマンが発表されました。
それが今回ご紹介する新モデル「NW-A300」シリーズです。
今回は32GBモデルを購入
結論から言ってしまいますがこの「NW-A300」シリーズ、「スマホとは全く次元の異なる高音質」が体感出来ちゃいます。

それもそのはずでこの「NW-A300」シリーズは、ハイエンドモデルと同様の工法やパーツ、ヘッドホン端子等を採用。前モデルよりも細かなパーツや音質にもこだわった一台として仕上がっています。
本記事ではそんな「NW-A300」を徹底レビュー!音質やUI、メリット・デメリットなどを中心にレビューしていきます。
\ SONY NW-A306 /
\ REOTANはこんな人 /
- 「高音質を手軽に楽しむ」をモットーにするオーディオ好き
- 年間数十台のイヤホン・ヘッドホンを購入・使用
- 講談社「マネー現代」にイヤホン特集記事を寄稿
- 当ブログでも多数のイヤホンレビューをUP
目次
NW-A300シリーズについて
・本体カラー・ストレージ
ストレージも前モデル「NW-A100」シリーズで不要だった16GBモデルが無くなり、「32GB」「64GB」の2モデルがラインナップされています。
-NW-A300シリーズ-
ちなみに32GBだと初期に使えるストレージは約18GBほど。アプデの際は最低でも3.5GBの空き容量が必要になるので、楽曲は出来るだけmicroSDに保存しておくと良いでしょう。

\ NW-A307 64GBモデル /
NW-A300シリーズの主なスペック
・OSや再生時間、本体周り
OS | Android 12 |
GooglePlayの利用 | 〇 |
ディスプレイ | 3.6インチ / HD(1280×720ドット) |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Ver 5.0 |
USB DAC機能 | 〇 |
アンプ | S-Master HX |
microSD対応 | microSDXC対応 |
ドラッグ&ドロップ転送 | 〇 |
充電池 | 内蔵型リチウムイオン |
充電時間 | 約3.5時間(フル充電の場合) |
再生時間 | 最大36時間(W.ミュージックアプリ) 最大26時間(ストリーミング利用など) ※共にMP3 128kbpsの場合 |
充電方法 | USB-C |
サイズ | 約56.5 mm x 98.4 mm x 11.8 mm |
重量 | 約113g |
OSがAndroid 12となったことで、今後数年は使えるスペックへと進化しました。
再生時間も最大36時間対応となりましたが、これは「MP3 128kbps」で再生した時のもの。実際には「AppleMusic + LDAC」の様な組み合わせで約11時間くらい再生することが出来ました。

・コーデックや対応フォーマット
コーデックは「SBC」「AAC」「LDAC」「aptX」「aptX HD」に対応。aptX Adaptiveには非対応ですが、ハイレゾ音源をしっかり楽しめるスペックとなっています。
対応フォーマットも非常に豊富です。DL購入した音楽や有線イヤホンでもしっかりハイレゾロスレス音源を楽しめる仕様となっています。
対応フォーマット
- MP3:32 - 320kbps
- WMA:32 - 320kbps
- FLAC:16, 24bit / 8-384kHz
- WAV:16, 24, 32bit(Float/Integer)/ 8-384kHz
- AAC( .mp4, .m4a, .3gp):16-320kbps / 8-48kHz
- HE-AAC( .mp4, .m4a, .3gp):32-144kbps / 8-48kHz
- Apple Lossless( .mp4, .m4a):16, 24bit / 8-384kHz
- AIFF( .aif, .aiff, .afc, .aifc):16, 24, 32bit/ 8-384kHz
- DSD( .dsf, .dff):1bit / 2.8224, 5.6448, 11.2896 MHz
- APE:8, 16, 24bit / 8-192kHz(Fast, Normal, High)
- MQA ※ 352.8 kHz以上はダウンコンバート再生
NW-A300シリーズのデザイン
・パッケージ内容
外箱はシンプルな白箱デザイン。高価な機種ではありますが、環境面に配慮された簡素なパッケージングとなっています。
内容物も至ってシンプルです。USB-Cケーブルも剥き出しで封入されていました。
その他に保証書などが同封されています

・切削アルミシャーシ採用による高剛性ボディ
ボディはアルミを削り出す手法で造られた高剛性ボディを採用。凹凸のある立体的なデザインが採用されていたりと、剛性・質感に優れたボディとなっています。
ディスプレイは3.6型HDディスプレイを搭載。片手でホールディング出来る絶妙なサイズ感を実現しています。
片手で楽々操作出来ます
ちなみに再生画面を表示させるとこのような感じ。決して大きなサイズではありませんが、ジャケットもスマホ利用時と同様にしっかり視認できます。
※「W.ミュージック」の場合
右側面には電源ボタンなどの各種スイッチを配置。音量ボタンは楕円形のデザイン、再生ボタンには小さな突起が設けられるなど直感で操作出来る抜群の操作性能を実現しています。

上部・左側は何もありません。
底面には左から3.5㎜端子、ストラップホール、USB-C、microSDスロットが用意されています。
特にこの3.5㎜端子は左右のグランドを分離させた4極の3.5㎜端子を採用。低音域を中心とした音質向上に加え、良いイヤホンを使った時のノイズ低減にも効果を発揮してくれます。
フラグシップモデルと同一のヘッドホンジャックが採用されています

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・内部パーツも上位機種と同等のこだわりを実現
内部パーツは上位機種と同様にすべての接続部に「金を添加した新高音質はんだ」を使用しています。
引用:NW-A300シリーズ
これにより細かな音の表現力・定位感がUP!スマホでは味わえない微細音を表現できるようになりました。

- NW-ZX707 -
NW-A300は音楽再生時のUIが超優秀
本体・microSDに保存した楽曲は「W.ミュージック」で再生を行うのですが、その際の操作性能がとにかく抜群!
基本的にフリックのみで操作できるため、いつものスマホの様に誰でも・かんたんに扱うことが可能です。
「W.ミュージック」で再生中には、miniプレイヤーの左右へのフリックで「前曲/次曲」へとかんたんに移動することが出来ます。
フリック操作のみで曲移動が可能
また画面を上に移動すると「ライブラリー」を表示。背後のCDラックへ手を伸ばすイメージで、好みの曲へかんたんに移動できます。
左右のフリックでは「お気に入り」「再生リスト」を表示。音楽再生中でも「左右にスッ」とフリックするだけで簡単に作成可能です。
再生画面下へ移動すると「音質設定アプリ」へジャンプ可能です。ホーム画面へ戻ることなく、イコライザーやDSEE Ultimateの利用も気軽に行えます。
個人的に嬉しいのが音楽再生画面で「カセットテープ」が表示できる点。音源(音質)によって再生されるカセットテープが変わる楽しいギミックも搭載されています。
ハイレゾ音源だと「Metal Master」で再生されます!
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NW-A300は音楽再生・楽曲取り込みがとっても簡単
「NW-A300」は音楽再生・楽曲取り込みなどがとにかく簡単です。
基本的に「W.ミュージック」or「ストリーミングサービス」での再生にはなるものの、
再生・取り込み
- ストリーミングサービス ※
- 「CDレコ」を使用して楽曲を直接取り込む
- DLサイトで購入した楽曲をそのまま楽しむ
- PCに保存している楽曲を転送
- USB-DAC機能を利用(有線イヤホンのみ)
「Amazon Music Unlimited」では「360 Reality Audio」も利用可能
※対応機種・対応サービスはこちら
と言った具合に主に5つの機能を介して再生・楽曲取り込みなどが行えます。
・お気に入りのストリーミングサービスが使える
ストリーミングサービスは「Amazon Music Unlimited」や「AppleMusic」と言ったほぼ全てのサービスが利用可能です。
AppleMusic再生画面

・「CDレコ」を使えばPCレスで楽曲が取り込める
「自宅に大量にCDがある!けどPCがない…」と言った場合でも「CDレコ」を使えばPCレスで楽曲取り込みが可能です。
特に便利だと思うのが「ジャニーズ」や「洋楽系のコアなアーティスト」を良く聞くような人。こういった楽曲は音楽配信されてないことが多いので、ストリーミングサービスが使えないんですよね…。

\ NW-A300シリーズ対応「CDレコ」はこちら /
・DL購入した楽曲もかんたんに楽しめる
「お気に入りアーティストの楽曲はDL購入している」と言う人でも、NW-A300はPCレスで行えます。Wi-Fi経由で購入・DLがすべて完結します。
引用:NW-A300シリーズ
・ドラッグ&ドロップでかんたん転送
楽曲管理をPCのiTunesで行っている方も多いですよね。
そうした場合も「NW-A300」と「PC」を接続することで、ドラッグ&ドロップでかんたんに転送可能です。
※画像はWindowsの場合。Macでも可
もちろんmicroSDカードへの直接転送もOKです。大容量のカードを使用すれば、音質を劣化させることなく大量にコピー出来ちゃいます。
\ わたしはコレ使ってます /
・USB-DAC機能でPCの音楽も高音質で楽しめる
「NW-A300」と「PC」を接続した際に、USB DACを選択するとDAC機能が利用可能です。
※DACとは?デジタル信号をアナログ信号に変換する機能のこと
通常PCで行うこの処理を「NW-A300」で行える様になるため、PCに保存した楽曲もノイズ感の少ない高音質サウンドで楽しめちゃいます。

NW-A300の音質
・沼音の世界に浸れるリアルなサウンド
まずは「WH-1000XM4」を利用して「Amazon Music Unlimited」のハイレゾ音源を楽しんでみました。
全域にわたって細かな音のニュアンスを感じ取れる上質でまとまりのある音質です。
スマホでは味わえない「音の余韻や輪郭」が感じ取れるのに加え、立体感・抑揚も高い次元で表現。誰が聞いても「この音めっちゃ良い!」と思わず呟いてしまう高次元サウンドが体感出来ました。
低音域も「それぞれの音」を一音一音ハッキリ感じ取ることが可能です。
ベースラインが潰れることもなく、ドラムを叩いている姿が想像出来るクリアなアタック感も感じ取ることが出来ました。

ボーカルを中心とした中音域も余裕を持った表現力で再現してくれます。
位置取り的には楽器隊の少し前に位置する様な感覚ではあるものの、ボーカルの細かな息遣いや色気などもつぶさに表現してくれました。

高音域も上下左右に余裕のある音場・空間域が確保されているため音に窮屈さを感じることがありません。サ行の刺さりが気になる場面もありませんでした。
「ヌケ感」と言う一言では表現できない上質な音を響かせてくれるため、脳内に「スッ」と入り込んでくれる聞き心地の良い高音域だと感じました。
加えて定位感・解像度も非常に優秀です。「これ以上を求めるなら上位機種へどうぞ」と言いたくなる、安定した定位感と高い解像度を表現してくれます。

・ワイヤレスイヤホンと相性抜群
続いて「WF-1000XM4」で利用してみました。
ヘッドホンよりも取り回しが良くなるため、室内外問わず使いやすい最適な組み合わせだと言えるでしょう。
WF-1000XM4のメリット
- TWSの中でもTOPクラスの高音質
- 強力なANC機能
- 持ち運びしやすいサイズ感
- Headphones Connectアプリが使える※WH-1000XM4でも可
- SONY製品の連携性
\ WF-1000XM4 レビュー /
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音質傾向的には「WH-1000XM4」よりも低音域の押し出しが少し弱くなって、より細かな音の響きとボーカルを感じ取りやすいサウンドになる印象です。
またスマホ再生時と比べると、音の重厚感や余韻が1段階くらい上の領域で表現されます。サウンド全体に抑揚が生まれるため、より立体的なサウンドを味わうことが出来ました。

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・有線イヤホンの活用で音質もさらにUP
続いてゼンハイザー「IE100 Pro」で音楽を楽しんでみました。
ワイヤレス接続時に比べて音の分離感も向上した印象で、脳内にダイレクトに響く「音に向き合える」音質だと感じました。
特にこの「NW-A300」はフラグシップモデルと同じヘッドホンジャックを搭載。今回の様に通常の3.5㎜接続でもノイズ感や音の雑味は感じにくかったので、グランド分離接続だとさらに良い音が体感できると思います。

・音質設定アプリで好みの音質が自由自在
先程チラっと触れた音質設定アプリ。「NW-A300」では全てのコンテンツで自分好みの音質カスタマイズが可能です。
音質設定アプリで出来ること
- イコライザー
- DSEE Ultimate
- DCフェーズリニアライザー
- ダイナミックノーマライザー
- バイナルプロセッサー
- Clear Audio+
※Bluetooth接続の場合、DSEE Ultimate、イコライザー、ダイナミックノーマライザー、ClearAudio+のみ
各機能の詳細はコチラでご確認いただけます

・DSEE Ultimateは効果ある?
圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングしてくれる「DSEE Ultimate」ですが、「実際の効果はどうなの?」と思う方も多いかもしれません。
結論から言うと「ON / OFFでそこまで効果は感じなかった」と言うのが正直なところです。

ただし「NW-A300」になってからワイヤレスイヤホンでも「DSEE Ultimate」が使えるようになりました。もちろん有線イヤホンでも使えるので、基本的にONのまま使えば良さそうです。
NW-A300の良い点・気になる点
【良い点・気になる点】
良い点 | 気になる点 |
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|
・動作はワンテンポ遅れるかも
「Amazon Music Unlimited」で曲やアーティストを頻繁に変更した際に、動作がもたつく場面がありました。全体的にサクサク動く感じではないので、基本的に操作はワンテンポ遅れる感じです。
たまに操作がもたつく場面も
またストリーミングサービス利用時に接続が途切れることも数回発生…。自宅Wi-Fi等との相性も考えられますが、こういった点は少し気になりました。
・90点以上の満足度!やっぱり音が良い
反対に全体的としては良い点(メリット)の方が多く、個人的には90点以上の満足感があります。
なにしろこの小さな筐体で「スマホでは味わない高音質サウンド」を手軽に体感できるのが最高すぎます。
加えてAndroid12ベースで「使用感に変なクセがない」のも〇。バッテリー持ちもそこまで悪くないですし、音楽再生専用機として持ち運べる手ごろなサイズ感も魅力です。

NW-A300はこんな人におすすめ
こんな人におすすめ
- ウォークマンの買い替えを検討している
- iPhone・Androidスマホの音質に不満を感じている
- ストリーミングサービスをメインに使っている
- ワイヤレスイヤホンを中心に使うことが多い
- サイズ・バッテリー持ちも優先したい
- 数年はメイン機として使える専用機を探している
こういった人に超・超おすすめのウォークマンです。買い替えの方はもちろん、これからウォークマンデビューする方にも本当に最適の製品です。
「NW-A300」があれば色々な楽曲を高音質で楽しめるのは間違いありません。後は色々なイヤホンを試してみて「あーでもない、こーでもない」と自分好みの音を見つけるのも楽しいですね。

\ SONY NW-A306 /
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