今回は国内の高級オーディオブランド「final」から発売中の「VR3000 for Gaming」をレビューしていきます。
価格以上の高音質を実現するために、完全新設計の「f-Core DU」と言うドライバーユニットを新たに搭載。
音響・音響心理・空間音響学に基づいた音作りも行われており、没入感の高い音質を再現しています。
音楽鑑賞でも高音質で聴けるのには正直ビックリ!後ほど詳しく解説していきますが、ゲームだけでなく色々な用途に使える面白いイヤホンです
実際に2週間ほどメイン機として使い込んでみたので、ゲームで使用した際の音質や音楽鑑賞での音質、メリット・デメリットなどをご紹介していきます!
final VR3000 for Gamingの主な仕様
カラーバリエーション | ブラック |
形式 | ダイナミック型 |
ドライバー | f-Core DU 6㎜ |
感度 | 101dB/mw |
インピーダンス | 18Ω |
筐体 | ABS樹脂 |
ケーブル | OFCケーブル(1.2m) |
付属品 | イヤーピース、イヤーフック、専用ポーチ |
重さ | 20g |
装着方法 | 耳掛け式(シュア掛け) |
シュア掛け(IEMタイプ)と言うこともあり装着感はかなり良好です。圧迫感のない軽やかな着け心地です
final VR3000 for Gamingのデザイン・付属品
①VR3000 for Gamingのパッケージ内容
パッケージは紙製デザインです。final製品らしく非常にシンプルな外観です。
付属品として以下のものが同封されています。
- VR3000本体
- イヤーピース(TYPE E 5サイズ)
- イヤーフック(SS~LLまで全部で5サイズ)
- 専用ポーチ
- 冊子
イヤーピースは暗い場所でも左右の判別がしやすい様に軸に色が付いています。前後でサイズの判別がしやすい様に若干色味が異なっているのも特徴的です。
このイヤーピースは密閉度が高く、ゲーム・楽曲に対する没入感を高めてくれるのが特徴です。普通に買うと1,000円位するちょっと良いものが同封されています
ポーチはブラックを基調としたデザインです、開口部も広く、余裕をもってイヤホンを収納することが可能です。
②VR3000 for Gamingの本体デザイン
本体は3.5㎜オーディオ端子を搭載したマイク付きのデザインを採用しています。全体的なビルドクオリティもさすが日本メーカーと言ったところです。
本体はブラック調の少し歪なデザインです。人間工学に基づいた耳ポケットにスッポリ入る構造を採用していることもあり、フィット感はかなりGoodです。
内側はこのような感じ。分かりやすい様にL・Rの表記も印字されています。
成人男性の手のひらに載せるとこの様なイメージです。一見するとゴツゴツした印象を受けるかもしれませんが、
実際に装着するとこの様に耳の小さい女性でも問題なくフィット。もちろんおっさんの私でもOKなので多くの方が満足できる装着感だと思います。
右(R)側にはマイク付きのコントローラーユニットを搭載。楽曲の再生/一時停止・音量調整を行うことが可能です。
ハンズフリー通話は出来るものの、曲送り・頭出しをすることは出来ませんでした。この辺はちょっと注意が必要かも
端子は4極のL型プラグを搭載しています。
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final VR3000 for Gamingの音質
①PS5で音質を検証
PS5に接続し、APEXをPLAYしてみました。普段は「RAZER BlackShark V2 X」を使用しており、それとの比較も踏まえて音質検証を行いました。
実際に使用した感想は以下の通りです
- 中音域を中心とした聞きやすい音質
- 低音も強調しすぎていないので長時間でも疲れにくい
- 銃声・敵の足音など定位間もまずまず
- 音場はそこまで広くなく、まとまりよく聞こえる
- ゲーム内の音声・セリフはかなり聞きとりやすい
ヘッドセットと比べ音場は少しコンパクトなものの、中音域を中心に聞きとりやすい印象を持ちました。
銃声や足音などの定位も分かりやすいので「音が聞こえずに敵に先制を取られた!」と言うことはほとんどありませんでした。
「ゲーム用」と言うと迫力を重視して低音が強調されているイメージがあるかもしれませんが、VR3000はどちらかというと中音域を主体とした音質です。
どの音もバランスよく聞こえるのでクセの少ないイヤホンだと言えるでしょう。
一点だけ気になるのがウルトやナックルクラスター等の爆発音が重なったとき。音場がそこまで広くないこともあり、それぞれの音が重なってサウンド全体がボヤケてしまうことがありました。
ただし、3~4時間ぶっ続けで遊んでもヘッドセット使用時の様な「蒸れ・頭の痛さ」を感じなかったのはまさに快適の一言。こうした装着性の良さも本製品の魅力と言えるでしょう。
②スマホ・USBDACで音質を検証
続いて楽曲視聴時の音質を検証してみました。結論から言ってしまうと結構高音質で楽しむことが可能です。※iPhone・FiioQ3を使用。
音質全体の傾向としては
- 中音域を中心としたフラットな音質
- 解像度もそこそこ高く、音の階層が分かりやすい
- ボーカルも程よい主張具合で心地よく聞こえる
と言った点が特徴です。
解像度が高いのに聞き疲れし難いので「長時間の音楽鑑賞に耐えうる音質」だと感じました。むしろ心地良く聞くことが出来るので、ずっと付けていたいくらいですw
価格で言えば同価格帯の有線イヤホンと肩を並べるほどの音質です。いや…むしろ価格以上の音質かも。それくらい普通に良い音質ですよ
③ASMR・バイノーラルには特に最適
続いてASMR・バイノーラルサウンドで使ってみました。
公式でも本製品は「バイノーラルサウンドの試聴に適している」と明言している様に、思わず「フォ~」とつぶやく臨場感が確かにあります。
音の定位感が非常に分かりやすく、クッキリ鮮明に聴こえるのでASMR・バイノーラルには最適なイヤホンだと言えるでしょう。
目を瞑るとあたかも自分の前に人がいるような錯覚にさえ陥ります。不思議な感覚なのでハマってしまいそうです
final VR3000 for Gamingの気になるポイント
ちょっと辛口評価です。でもウソは付きたくないので正直に書きますね。
- ミュートがボタンを押している時にしか機能しない
- マイクのON/OFF設定がない
- マイク音質は正直残念過ぎる
サウンドの面での問題ではなくマイク・ミュートボタン周りの設定が気になりました。
ゲーム中ってとっさにミュートにしたいとかマイクをOFFにしたい場面がよくあると思うのですが「ミュートボタンを押し続けている間だけミュートになる」のが微妙でした…。
中央にあるのがミュートボタン
またマイク音質も全体的にガサガサしてこもった音質なのでパーティー内と言えどVCの使用は正直厳しい印象です。妻からも不評でしたw
or Gamingとあるのにの仕様は正直言ってかなり残念です。音質が良いだけにもったいない!
final VR3000 for Gamingの気に入ったポイント
辛口評価してしまいましたが、もちろんそれを上回るメリットが本製品にはたくさんあります。
- 全体的なビルドクオリティの高さ
- まさに神レベルの快適な装着性
- ゲーム・ASMRにも対応できる音質
- 音楽鑑賞も高レベルで楽しめるクセのないフラットな音質
音質・ビルドクオリティ面についてはとても高い次元で完成されたイヤホンです。
音質面については先述した通りですが、ゲーム・音楽鑑賞・ASMR・バイノーラルサウンドと言った多種多様なジャンルをこれ一本でこなせるのは正直言って驚きを隠せません。
中々こんなゲーミングイヤホンはないのでこの辺りはさすがfinalと言ったところでしょうか。
デメリットを上回るほど音質面で得られるメリットが大きい印象です。マイク・ミュート機能を重視しない方であれば絶対に間違いのない選択だと言えるでしょう
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final VR3000 for Gamingはこんな人におすすめ
- アンダー10,000円以下でゲーミングイヤホンを探している方
- 定位感・没入感の高いサウンドを体感したい方
- 音楽鑑賞にも使いたい方
- ASMR・バイノーラルをよく楽しんでいる方
- 一本でマルチに活躍できるイヤホンを探している方
ヘッドセットとは違い疲れに行くのもゲーミングイヤホンの良いところです。この中のどれか一つでも当てはまる方であればVR3000は間違いない選択と言って良いでしょう。
一本持っておくと何かと便利に活躍してくれるイヤホンです。今回のレビューを参考にしていただければ幸いです。是非お試しを!